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褒めて伸ばそう!トレーニング編

わたしたちが用いるトレーニング法は、Positive Reinforcement(ポジティブレインフォースメント:正の強化)と呼ばれる応用行動分析学に基づく方法です。学習者(鳥さん)の意思を尊重して、最も押しつけがましくないとされている方法です。望ましい行動と、その直後に現れるご褒美(強化子)とを結び付けて、どんな行動をとったらご褒美がもらえるかを学んでもらい、将来的に望ましい行動の出現頻度を上げて、または同レベルの行動の頻度を保つことを目標とします。望ましくない行動の場合はご褒美は出現しないので、望ましくない行動は徐々に消去していきます。

近年では、イルカや犬のトレーニングにも用いられるようになったPositive Reinforcementですが、トレーニングは人と鳥さんとをつなぐ大切なコミュニケーションのツール(道具)だと感じています。人と一緒に暮らす鳥さんには、最低限のルールを学んでもらうことが必要です。決して一方的に鳥さんに押し付けるのではなく、鳥さんの意思を尊重しながら学習してもらうには、このPositive
Reinforcementが優れた伝達手段だと感じています。

トレーニングは鳥さんとのコミュニケーション手段のひとつ

Positive Reinforcement(ポジティブ・レインフォースメント)を使うことによって、次のメリットがあります。

Positive Reinforcementトレーニングのメリット
  • 鳥さんたちに日々の生活に必要な行動を教えることができる。

  • 鳥さんたちにとってストレスに感じるできごとを、そうではないものにかえるのに効果的な方法。

  • 知能の高い鳥さんに課題を与えることで、いい刺激になり、ありあまったエネルギーの発散にもつながる。

  • 鳥さんの行動を本当の意味で観察できるようになる。

  • 信頼関係を築くことができる。

  • 問題行動を解決できる手段でもある。

  • トレーニングを通じて、鳥さんの能力の素晴らしさに驚かされる貴重な経験ができる。

何よりも「褒めて伸ばす!」トレーニングなので、鳥さんにとっても飼い主さんにとっても楽しく、刺激的な遊びにもなるでしょう。鳥の体を抱きしめたり、なでたりするといった遊びは、ホルモンの分泌は促しても、頭脳の回転を促すことはありません。さらに良いことに、鳥たちにとって人との暮らしをより快適でストレスのないものにする行動を教えることができるのです。

Positive Reinforcementの基本

別名「ご褒美トレーニング」と言われるPositive Reinforcementですが、その原理はいたってシンプルです。簡単にご紹介させていただきます。

『咬み付き』を矯正する場合:[咬むそぶりをみせたら]

A(Antecedent)
事前の状況

B(Behavior)
行 動

C(Consequence)
 結 果

鳥さんの心理「あれ!?今まで、「痛い!咬んじゃダメでしょ!」ってたくさん話しかけてくれてたのに、反応がないな~、飼い主どうしちゃったんだろう?」

『咬み付き』を矯正する場合:[咬まない時]

A(Antecedent)
事前の状況

B(Behavior)
行 動

C(Consequence)
 結 果

鳥さんの心理「咬まなかったら、ご褒美がもらえるし、たくさん話しかけてくれる~♪だったら楽しいことが起こる方がいいから、もう咬んで自分の意思を伝えるのや~めた~」

結果的に、咬まないという行動の出現率が上がって、咬むという行動はやがて消去されていきます。

楽しいこと大好き!注目されたい!この気持ちが全て

「行動」の直後の「結果」によって、鳥さんの行動は定着していったり、消去されていきます。

定着される行動とは、行動の直後の結果で鳥さんにとってうれしいことや鳥さんが望む結果になれば、その行動の出現率は上がりますし、定着していきます。

消去される行動とは、行動の直後に鳥さんにとってうれしくないことやイヤなことが起こったり、鳥さんが望まない結果になれば、その行動の出現率は下がって消去されていきます。

鳥さんは楽しいことが大好きな生き物です。いいことを伴う結果が行動の直後にあれば、その行動の出現率は上がりますし、逆のことは消去されます。これをうまく利用して、咬み付きや呼び鳴きなどの問題行動を改善していく方法がPositive Reinforcementトレーニングです。

『直後』ってどのくらい後? ~ご褒美をあげるタイミング~

ご褒美をあげるタイミングは、望ましい行動の「直後」です。「直後」のタイミングが意外と難しいとおっしゃる方が多く、長くても3秒以内です。個人的には、咬み付きや呼び鳴きは学習行動、つまり人が教えてしまった行動だと考えています。人が鳥さんを咬み付き屋さんにしてしまうのであれば、まさにこのタイミングです。咬んだ直後に「痛い!」と言いますよね。3秒も間があいたりはしないはずです。これくらいのタイミングで、望ましい行動の直後にご褒美をあげることができたら、鳥さんも理解しやすいでしょう。ちなみに鳩を使った実験では、覚えてほしい行動からご褒美まで10秒、間があいてしまうとその行動を学習できるのは皆無だそうです。

嬉しいことの判断は「鳥さんにとって」 ~人側の判断ではありません~

咬んだ直後の飼い主さんのリアクションやお説教は、鳥さんにとってはご褒美になっている場合が多々あります。「痛い!ダメでしょ!」の言葉も、鳥さんにとっては「わ~い♪喜んでくれてる~!次はもっとがんばるぞ~♪」と思っているかもしれません。「ちゃんとやってるけど、咬み付きがどうしてもなおらない」とおっしゃる方は、次の項目をご覧いただき、ご自身の行動をよく観察していただけたらと思います。

本に書いてある通りやってるけど、うまくいかない

鳥さんが咬んでしまったら・・・?

咬ませない、咬む経験を作らない
環境作りも大切

みなさんは、どのような対応をとっていらっしゃいますか。

飼養本でよくみかけるのは、「のっている手をゆらす」「息を吹きかける」「にらむ」「大声でどなる/説教をする」などなどですが、効果があったという方もいらっしゃれば、その一方で効果が全くないという声も多く聞きます。鳥さんにもいろいろな性格の鳥さんがいるので、それぞれに合った対処法を身に着けることが必要だと感じています。上記の対処法が効果がないパターンの鳥さんの気持ちを考えてみました。

また、咬んだ後の結果を考えること以上に、鳥さんに咬む経験をさせない環境作りも大切です。咬んできたら、クチバシをおしやればいい、甘噛みだったら我慢する、などの対処法はオススメしていません。

  •   ゆらす~振り落とされまいと必死にしがみつく、あるいは揺らされるのが嫌いな鳥さんは「揺らすな!」とさらにガブッ!

  •   息を吹きかける~そもそも、なぜ咬まれた後に「息を吹きかける」のでしょうか。鳥さんが怒った場面に遭遇した方はお分かりですね。鳥さんは威嚇をする時、「フーッ」と言って体を左右にゆっくり揺らします。(オカメインコにこれをやられても全然怖くないけれど本鳥は必死です。)

    これを利用して、「息を吹きかける」というのは「怒ってるんだぞ!」という意思表示を鳥さんのボディランゲージを借りて表現したものです。せっかく、このボディランゲージを真似しても効果がない場合もあります。なぜなら、「フーッ!(威嚇されても)とされても、自分、へっちゃらです」と我関せずタイプと、「おう!なんだ、やんのかぁっ!」と売られたケンカは買いますタイプがいて、この二つのタイプの鳥さんには全く効果がないどころか、後述タイプの鳥さんに至っては、反撃にでてこられる可能性もゼロではありません。

  •   「にらむ」~欧米では「Evil eyes(悪魔の目)」と表現されていますが、これも鳥さんにとっては効果がないパターンがあります。鳥さんがケンカをする際、お互いの目を文字通り睨み合って いることがあります。そうです、②でも出てきた「売られたケンカは買っちゃうぜ」タイプの鳥さんに、「にらむ」という行動に出ると反撃をくらってしまいます。

  •   「大声でどなる/説教をする」~「咬んだ後に言い聞かせるとシュンとした顔をするのでちゃんと聞き入れてくれていると思います」とおっしゃる飼い主さんに、次の質問をすることがあります。

    「では、それ以降に咬む行動は現れなくなりましたか」と。たいてい、その後もまた、数時間、あるいは数日したらまた咬むようになる、との回答がほとんどです。

    この場合、人側は「叱っている」つもりであっても、鳥さんにとっては反対に「たくさん話しかけてもらっている♪大きい声でおしゃべりしてもらってる♪自分だけに注目が集まってる♪」とご褒美になっている可能性があります。本当に効果があるかどうかは、その行動が後々、出現しなくなるかどうかで判断ができます。もし、「咬む → お説教」が日常的に繰り返されているのであれば、たとえ一時的にシンミョウなお顔をして聴いている様子であっても、これは効果がないと判断された方がいいかもしれません。ここを書き換えてください。

見かけに騙されないで

悪巧み中?とぼけてる?
表情で判断せずに行動を
描写して判断することが大切

トレーニングをする時は、「鳥さんの気持ちは鳥さんにしか分からない」という気持ちで臨んでいます。

飼い主の立場からするとちょっと寂しい気持ちになりますが、トレーナーとしての立場ではこのような考えにスイッチを切り替えています。

なぜなら、「シュンとしている」「怒っている」「わがまま」などの気持ちを表現する描写はトレーニングにおいてはとても邪魔なものとなってしまうからです。トレーニングの時に大切なのは、「気持ち」を描写するのではなく「行動」を描写することです。

(鳥さんが)「怒る」→咬んだ

では何の解決策も見つけられません。

「手を差し出した」→「鳥さんは後ろに少し体をのけぞった」→「さらに鳥さんの方に手を差し出した」→咬んだ→「大声をあげた」→「絆創膏を取りに立った」→「鳥さんにお説教をした」

と行動を描写することで、この行動を変えてみよう、とか、この行動を止めてみよう、などの解決策が見いだせます。(上記を鳥さんの立場で考えてみると、咬む前の状況は「無理強いをされている」様子があり、咬んだ後には「めまぐるしく変化する楽しいことが繰り広げられている」というふうにお感じになりませんか。)

本に書かれてあった通りにやってみたけどうまくいかない、言われた通りにやったけど効果がない、という時は、鳥さんにきちんと伝えられていない、というのが原因です。

トレーニングなんていろいろ試してみたけど効果があった試しがない、とおっしゃる方、あきらめないでください。鳥さんはきちんと伝えれば、それにちゃんと応えてくれます。鳥さんとの接し方や問題行動などで悩んでいらっしゃる方、お気軽にご相談ください。一緒に、きちんと伝わる方法、Positive Reinforcementトレーニングでよりよい関係性を築いていきましょう。

ちょこっとコラム

甘噛みは許容する? 許容しない?

鳥さんの甘噛みを許容するかしないか、、、もし、咬み付きを矯正したい場合は、甘噛みを許容しない方が鳥さんに伝わりやすいと感じています。つまり、人の肌はクチバシで咬むものではないよ、とシロかクロという風にルールを決めた方が人側も伝えやすいですし、鳥さんにとっても理解しやすいように思います。

人は痛みに慣れてしまいます。そして、鳥さんにご褒美を与えるタイミングは行動の直後です。3秒以内です。もし、鳥さんがカプッと咬んだ後に、「今のはいいかな?我慢できるかな?ん~~~やっぱりダメかな?」などと考えている間にご褒美のタイミングを逃してしまいますし、痛さの線引きはなかなか難しいと感じています。また、ご家族が多いほど、人によって痛みの限界、つまり甘噛みと解釈するかしないかについてルールは決められません。そうであれば、咬み付きを矯正していある間は、甘噛みも許容しない方が人も鳥さんも明確にルールを決めやすいのではないかと思っています。

また、鳥さんによっては甘噛みからスタートして、少しずつ少しずつ、人の反応を見ながら強く咬むようになってしまう場合もあります。

甘噛みをしてくれると、「ちゃんと手加減してくれてる~♪」と嬉しくなってしまいますが、以上を踏まえてご判断していただけましたら幸いです。